住宅性能表示制度とは!

制度・保険・税金

住宅性能表示制度は平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進に関する法律」に基づき、
同年10月に本格的に運用開始された制度です。

 

住宅性能表示制度の仕組み

(1)住宅性能表示制度は法律に基づく制度です。
住宅性能表示制度は、法律に基づき、住宅の性能を評価し表示するための基準や手続きが定められています。

(2)住宅の性能に関する共通ルール(基準)が定められています。
住宅の性能を表示するための共通ルールは、国土交通大臣及び内閣総理大臣が日本住宅性能表示基準として定めています。
また、住宅の性能の評価の方法は、国土交通大臣が評価方法基準として定めています。
これらにより、 住宅を取得しようとする方が住宅の性能を相互に比較することが可能となります。

(3)第三者機関の評価が受けられます。
国土交通大臣は、住宅の評価を客観的に実施する第三者機関を登録住宅 性能評価機関として登録しています。
登録住宅性能評価機関は、申請に基づき、 評価方法基準に従って住宅の性能評価を行い、その結果を住宅性能評価書と して交付します。
住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめたもの(設計住 宅性能評価書)と、
施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめたもの(建設住宅性能評価書)との2種類があり、
それぞれ法律に基づくマークが表示されます。
性能評価の料金は、評価機関ごとに独自に定めています。

(4)住宅性能評価書の内容を契約に活かせます。
登録住宅性能評価機関が交付した住宅性能評価書やその写しを、
新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付などすると、住宅性能評価書の記載内容を契約したものとみなされます。
ただし、契約書面で、契約内容としないことを明記した場合はこの限りではありません。

(5)円滑、迅速で、専門的な紛争処理が受けられます。
建設住宅性能評価書が交付された住宅については、
国土交通大臣が指定する指定住宅紛争処理機関(各地の 単位弁護士会)に紛争処理を申請することができます。
指定住宅紛争処理機関は、裁判によらず住宅の紛争を円滑・迅速に処理するための機関ですが、
建設住宅性能 評価書が交付された住宅の紛争であれば、住宅性能評価書の記載内容だけでなく、
請負契約・売買契約に関する当事者間のすべての紛争の処理を扱います。
紛争処理の申請手数料は、1件あたり1万円です。

 

日本住宅性能表示の理解のポイント

(1)日本住宅性能表示基準は10分野・35項目から成り立っています。
日本住宅性能表示基準で取り上げた性能表示事項は35(新築住宅については33項目)あります。
この性能表示事項は、次のような10の分野に区分されます。
このうち、必須項目は4分野9項目となります。
その他については選択項目になり、登録住宅性能評価機関への評価申請の際に、
評価を受けるかどうかを自由に選択することができます。
①構造の安定に関すること[必須]
②火災時の安全に関すること
③劣化の軽減に関すること[必須]
④維持管理・更新への配慮に関すること[必須]
⑤温熱環境・エネルギー消費量に関すること[必須]
⑥空気環境に関すること
⑦光・視環境に関すること
⑧音環境に関すること
⑨高齢者等への配慮に関すること
⑩防犯に関すること
こうした事項は、次のような考え方に基づき設定されました。

・評価のための技術が確立され、広く利用できること
・設計段階で評価が可能なものとすること
・外見からでは容易に判断しにくい事項を優先すること
・客観的な評価が難しい事項は対象としないこと

(2)性能表示事項にはそれぞれの適用範囲が設けられています。
基準は、当初新築住宅を適用対象として制定されましたが、
現在は既存住宅も対象に含まれるようになっています(本書では新築住宅に適用される基準についてご説明します)。
また、性能表示事項の中には、一戸建ての住宅には適用されず共同住宅等にのみ適用されるものや、
特定の地域にのみ適用されるもの、選択制のものもありますので注意してください。

(3)表示される等級や数値などの意味の理解が必要です。  
性能表示事項は、等級や数値などで表示されます。
等級は、数字が大きいほど性能が高いことを表すように設定していますが、
性能の高いことが直ちにどの居住者にとっても最適なものになるとは限りません。
自らのライフスタイル、工事費、地域の気候・風土、デザインや使い勝手など、
基準の対象となっていない個別の事情などを考え合わせて、性能の最適な組み合わせを選択することが重要です。
内容を十分に吟味しないで、等級が高いものや数値のよいものだけをむやみに要求したり、
選択したりすることが合理的であるとは限りません。

(4)設計段階で表示される等級や数値などは、設計段階で予測できる範囲内のものです。
住宅の性能は、様々な要因によって設計段階での予測の難しいものもありますので、
住宅全体の性能を対象とするのではなく、住宅の性能のうち設計段階で予測できる特定の部分の性能や、
具体的な対策の程度について、基準を設定している場合があります。
また、室内空気中の化学物質の濃度については、設計段階での評価が困難ですので、完成段階のみの表示対象としています。
表示される等級や数値などは、このようにして設定された評価方法基準に従って評価された結果であり、
これに加えて何か特別な約束、たとえば居住者の実感や実測結果の程度についての保証を行うものではありません。

(5)評価方法基準では維持管理や気象の条件等に一定の前提を置いています。  
住宅の性能は、気象条件や住まい方、維持管理の仕方の違いによって大きく影響を受けます。
これらの影響を排 除したり、評価の段階で把握したりすることは難しい面があります。
そこで、評価方法基準では、標準的な気候条件や一般に行われる維持管理条件などを想定して、何らかの前提を設けている場合があります。

(6)住宅の構造種別により評価方法を区分して設定している場合があります。  
日本の住宅には世界に類を見ないほど多様な構造種別があります。
性能表示事項や表示の方法は、住宅の構造 種別によらず共通のものを設定していますが、
評価方法基準では、構造種別ごとに異なる材料の特性を踏まえた、各々にふさわしい評価方法を採用している場合があります。

(7)建築基準法の規制内容と関連のある性能表示事項があります。
住宅性能表示制度の性能表示事項には、
建築物の最低限の水準を定める建築基準法の規制内容と重複する事項と、独自に定める事項とがあります。
建築基準法に定める基準に適合するものの、
特にこの性能を大きく上回ることのない住宅については、「等級1」などと評価を受けることになります。

(8)住宅の性能は、時間とともに変化します。
住宅の性能は、完成した時点から、時間とともに変化します。
このような変化が進む速さや程度を正確に予測することは困難です。
評価方法基準により評価された内容の多くは、あくまでも、評価を行った時点(完成段階)のものであり、
このような経年変化の影響を考慮したものとはなっていません。

 

登録住宅性能評価機関の行う性能評価のポイント

(1)建築基準法の基準に適合しない住宅は、評価の対象になりません。
建築基準法で定める基準を下回る住宅については違法と考えられますので、住宅性能評価書を交付することはできません。
したがって、建築基準法により工事の完了時に検査済証の交付を受けることが義務付けられている住宅でありながら交付を受けていないものは、建設住宅性能評価書の交付を受けることはできません。

(2)住宅性能の評価には、コストと時間がかかります。
登録住宅性能評価機関が行う性能評価には、住宅の規模や特性により一律ではありませんが、ある程度のコストや時間がかかります。
そのため登録住宅性能評価機関では、評価料金を独自に設定しています。

(3)検査の時期、回数の下限が定められています。
登録住宅性能評価機関は、3階建て以下の住宅の場合、原則として4回現場に立ち入って検査します。
4階建て以上の住宅の場合は、階数に応じて検査の回数が増加します。

(4)検査は工事の記録書類と実物の検査を併用して行います。
登録住宅性能評価機関は、検査の時期までに行われた工事の内容を、
施工の管理を行う責任者などが作成する報告書や記録書類で確認するとともに、
内容の信頼性を確認するため、目視等による実物の検査を行います。
なお、室内空気中の化学物質の濃度等については、書類による審査などではなく、現場での実測により評価することとなります。

 

建築設計をして今年で22年。
月で5棟 年間で60棟ぐらい。
今まで、1.000棟以上の建築設計をさせていただています。
今も継続中!
その内、住宅設計は8割です。
住宅ローンアドバイザーになりまして今年で11年になります。

㈲髙陽一級建築士事務所
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