欠陥住宅について!
建築設計をして今年で22年。
月で5棟 年間で60棟ぐらい。
今まで、1.000棟以上の建築設計を
させていただています。今も継続中!
その内、住宅設計は8割です
既存住宅状況調査技術者としても
数十件の住宅を調査させて頂きました。
そこで、本日は欠陥住宅について!
欠陥住宅とは、法令等の基準を満たしていない住宅、
設計図(意匠図・構造図・設備図・工事仕様書・特記仕様書など)
のとおりに施工されていない住宅、安全性・快適性・使用性などの
観点から居住等に支障を来たす住宅のことです。
このうち、建築した当時は建築関連の法令を満たしていたが、
法改正などにより現在は満たさなくなったものは既存不適格と
呼び、欠陥住宅には含めません。
また、経年変化による自然劣化(木材の乾燥収縮による狂い・
ひび割れや、コンクリートやモルタル仕上げの
乾燥収縮によるひび割れなどで軽微なものなど)
も、欠陥住宅には含めません。
木造の場合の典型的な欠陥住宅
○根入れを全くしていない布基礎。
○引き抜き力の大きな柱にホールダウン金物と
ホールダウンアンカーボルトを入れていない。
○構造用合板の打ち付けに細いロール釘NC50を使用
○基礎の根入れ深さの不足
基礎の根入れ深さ(埋め込み深さ)は、
ベタ基礎の場合12cm以上かつ凍結深度以上
、布基礎の場合24cm以上なければならない。
一般的には基礎の下に割栗石や捨てコンクリート
を敷くので、それ以上掘らなければ
ならないことになります。
しかし、土の掘削手間や土の廃棄コストを省くため、
根入れ深さが浅かったり、全く土を掘らないことがある。
このような欠陥住宅は、地震時に家が移動したり
転倒したりしやすい。
また、土の中の水分が凍結するたびに、
家が基礎ごと持ち上がったりすることを繰り返し、
徐々に家は変形・破損してゆく。
○ホールダウン金物の不足又は省略
ホールダウン金物は地震時や台風時に柱が
土台や梁から抜けるのを防ぐために必要不可欠
な補強金物です。ホールダウン金物は、
建設省告示1460号の表、又はN値計算、又は
構造計算に従って正しく選定し取り付け
なければなりません。しかし、ホールダウン金物
が全くなかったり、すべて省略されていたりする
ことが多い。
このような欠陥住宅は、地震時や台風時に柱が引き抜け、
家がバラバラに分解してしまう。
特に阪神・淡路大震災では、ホールダウン金物の
不足した木造軸組工法の住宅に被害が集中しました。
○釘の種類の誤り
○外壁下地・床下地の省略
○防水工事の不良
欠陥住宅とは、前文に書かしていただいた内容
になりますが、お客様(クライアント)の立場、
施工業者さん・営業さん・設計事務所さんの
立場からで考え方が異なります。それが
欠陥住宅の問題になっていると思いますので
お客様(クライアント)と施工業者さん・営業さん・
設計事務所さんのコミュニケーションが
大切です。