日本の住宅5工法とは Ⅰ

施工

本日は日本の住宅5工法の在来工法(木造軸組工法)と
ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)のお話をしようと思います。
明日は、3工法のお話をします。

 

在来工法(木造軸組工法)

在来工法(木造軸組工法)は日本で最も主流の工法です。
約8割がこの工法で建てられています。
阪神大震災では、この在来工法による建物が倒壊したことが広く知られていますが、
しかしそれは昭和56年以前の古い建物や耐震基準を満たしていない建物がほとんどで、
平成以降の新しい建物ではほとんど被害がありませんでした。
古くからこの工法になじんできた日本人には、随所に木の温もりを感じることができ、この工法なくしては、家づくりは語れません。
また、耐震面では阪神大震災の被害をキッカケとして、建築基準法が平成12年に改訂され、耐震化が図られました。

構造的特徴
土台・通し柱と管柱・梁 と筋交い・火打ちなどで構成され、耐震面は筋交いなどが受け持ちます。
筋交いの量と配置のバランスが耐震上の決め手となります。

外観の特徴
外壁材料はどんなものでも可能で、極めて自由度が高い。
屋根形状も自由にできます。

レイアウトの制約
専門的に構造解析すれば、長大空間も可能。
木で造られた体育館やホールなども可能。
レイアウトの自由度は比較的高い工法です。
後の増改築も容易にできます。

 

ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)

ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)は北米で最も主流の工法です。
北米では住宅の9割以上がこの工法で建てられています。
合理的で、生産性や耐震性に優れ、火災にも強く、そして洒落た外観がこの工法の売りです。
自分で家を建てたり、あるいはリフォームをしたりする北米の生活スタイルから産まれたこの工法は、
いつでもどこでも、安く材料を調達できるように、2インチを基本とした規格体系になっています。
またツーバイフォー工法は、面で支えるモノコック構造により、
在来工法と比べて、1・5~2倍程度の耐震性のあることが最大の特長です。
それは、阪神大震災でもほとんど被害が無かったことからも裏付けられています。

また輸入住宅のように、ツーバイフォー工法には独特の雰囲気があり、かつては一見してツーバイフォー工法と分かりました。
ところが最近では、窓やドア、あるいはケーシングといった海外部材の輸入品が多く出回り、
在来工法などにも、これらの輸入部材が使われるようになったことから、外観だけではほとんど区別が付かなくなりました。
ところで、ツーバイフォー工法の弱点として、よく取り上げられるのが建て方中の雨です。
在来工法はたった1日で上棟し、真っ先に屋根組みをし、野地板も張れて、とりあえず雨から建物の骨格を防ぐことができますが、
ツーバイフォー工法は、1階の床、1階の壁、2階の床、2階の壁、屋根と、屋根ができるまで時間が掛かります。
その間に雨が降ってしまうと、構造材が水浸しになってしまうのです。
そのため、工場である程度まで組んでパネル状にして、
現場でクレーンを使って一気に組み立ててしまうのが、最も主流なやり方です。
この工法は、非常に合理的に標準化されているので、大工の技量により、出来栄えが左右されることなく、
品質の安定した家が建てられるのは、大きなメリットです。

構造的特徴
2インチX4インチの部材でフレームを組み、構造用合板で剛性を備えたパネルをを用い、モノコック構造とすることで耐震性を確保します。
優れた耐震性を持っています。反面、剛性が強いため、制震装置を採用しても、その効力は発揮できません。

外観の特徴
外壁材料による制約は、ほとんどありません。
外観デザインの制約もほとんどなく、和風の住宅も可能です。

レイアウトの制約
在来工法より構造上の制約が多少あります。
構造体が壁なので、後の増改築などは、在来工法よりも自由度が少ない。

建築設計をして今年で22年。
月で5棟 年間で60棟ぐらい。
今まで、1.000棟以上の建築設計をさせていただています。
今も継続中!
その内、住宅設計は8割です。

㈲髙陽一級建築士事務所
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