設計者の役割(土地選び編)

設計

不動産だけを取り扱っている会社は、東南の角地を高く評価します(高い値段で売買されているということ)。理由は、建物を南向きに建てることができるから。でも、考えてみてください。角地は車が一時停止する場所、つまり、排気ガスと騒音の影響を受ける場所です。その上、南側に窓を設ければ、そこは道路です。プライバシーを保つこともできません。敷地が大きければ良いのですが、狭い場合は東南の角地をお勧めすることはできません。

一方、北側道路の敷地では、建物を北側に寄せて(窓を少なくして)排気ガスや騒音をシャットアウトできます。隣地となる南側にお庭とリビングを設ければ、排気ガスや騒音もなく、プライバシーも保たれた快適な空間をつくることができます。北側道路の敷地は、東南の角地に比べると土地代も安く、その上、お部屋の快適性も高められます。アイデア次第で(設計次第で)やり方はいろいろあるということです。

大切なことは、その土地は「どんな家が建てられる土地か」であり、これを考えるのは設計者です。設計者は、その土地の法的要素や近隣環境を踏まえて「どんな家が建てられる」をプランニングします。プランニングをして初めてその土地の価値が見出せることもありますので、「土地探し」は、設計者や工務店と連携して行うことをお勧めします。